CEATEC JAPAN 2009 フォトレビュー
今年も CEATEC JAPAN 2009 行ってきました。いくらか写真を撮ってきましたので、個人的に目を引いたブースをいくつか紹介したいと思います。
# 何も考えずに一眼持って行ったのですが、失敗しました。
# 重いし、人混みだと気を遣うので、こういったイベントでは機動性の高いコンデジの方がいいかもですね。
全日本模型ホビーショーなるものも開催されていた・・・!こっちの方が楽しかったか!?
情報通信研究機構 NICT
100GbpsNICの実証試験ボード。まだまだそうとうゴツイです。
光無線通信のHD中継デモ。テラビット級の帯域を出せるとか。不安定な大気中を安定して通信できるよう工夫されているもよう。
インシデント分析センターなんてところがあったのですね。これは、世界から日本のネットワークに向けて どれだけ攻撃があるか可視化したもの。各ISPに検出用のマシンを置かせてもらっているそうです。現在、UIはUNIXベースで動作していましたが、将来的には Flash で公開する予定なんですって。あれ?どこかで見たようなシステムだ。
アドホック通信のシミュレーション。災害時には携帯の基地局が使えなくなるので、バッテリーが生きている携帯電話を基地局代わりにしようという発想。このアイディアはかなり昔から有るけど、適切な経路を選択するルーティング技術は確立されておらず、実現は難しい。
災害時に、その場所に「タグ」を残しておけるというシステム。これはRFIDを使用していますが、GPSを利用すればその必要はなくなるかと。そうすると、セカイカメラとの違いが無くなっちゃいますが。。。案外、ARは災害時に有効活用できるかも知れませんね。
Web情報信頼性分析エンジンを利用した、信頼度分析のデモ。企業情報か匿名情報かを自動判定してくれるわけですが、「Yahoo!知恵袋」に"企業"との表示が・・・。おいおい、それはヤフーの情報でもCPから買った情報でもなく ただのCGMだぞ・・・?
NTTアドバンステクノロジ
Texas Instruments製HD通信チップ用SDKのデモとして、720pの動画を2Mbpsで通信するデモをやっていました。携帯電話でHD画質の動画をustするなんてのもそう遠い未来ではない気がしますね。
NTT Docomo
眼球の動作をトラッキングできるイヤホンのデモ。なんと眼球の動きを電気信号として検知して、オーディオプレーヤーを操作できるとのこと。まだジェスチャのみのようですが、将来的にはアイトラやゲームなどにも活用できるかもしれません。これはすごい。
Gracenote
グレースノート iPhoneアプリ。北米iTunesアカウントでダウンロードできるらしい。検出時間は、10秒くらいはかかってたかなぁ〜。鼻歌では検索できませんが、Gracenote CDDBは登録曲数がアドバンテージですね。夏のコミケで頒布された同人CDとかもばっちり登録されてるし。
KOHJINSHA
デュアルディスプレイラップトップ。左右に「にょーん」と伸びるのが楽しいです。
Trend Micro
知らなかったのですが、最新のPSPのファームには すべてTrend Microの ブラウザ向けセキュリティソフトが入っているとのこと。デフォは無効らしいが、全世界のPSPに搭載されているということは、組み込み向けソフトとしてはかなり大きな存在ではないか。
ヤマハ
これ、写真じゃただのタペストリーにしか見えませんが、厚み1mmのスピーカーだったりします。音質はAMラジオみたいな感じですが、こんな薄っぺらいものから音が出ているのは、非常に不思議な感じでした。
ソニー
PS3をデジタルサイネージに応用したらこれだよ!なデモ。PS3は価格が下がっていることもあり、専用システムを組むより安価にタイルディスプレイが組めそう。説明員曰く「フルHD画質で10台はいける」とのこと。すごいですね。
TransferJetデモ。携帯のファームウェアを改造して、TransferJetに対応させている模様。30秒程度の動画であれば、一瞬タッチする時間でDL可能とのこと。
Vaio X。凄い行列だったので失礼して横から撮影させてもらいました(知らない人、ごめんね!) 薄くて平ら〜な感じですね。ガジェット好きにはたまらない製品かと。
SHARP
2番組同時に、かつ、8.5倍速で HD動画を録画をするデモ。もう何がしたいのか分からない。どういったシーンで活用するんだよこの機能w
# 訂正:8.5倍速、ではなくて 8.5倍録画だった(つまり8.5倍 長時間録画)
Panasonic
2,3年前から話題に上るようになった、家庭内DC配線。ソーラーパネルとかが普及すると、AC/DC変換損失がバカにならないそうです。自家発電がいいかどうかは置いておいて、そうなると課題は電力供給の方法と言うことになります。ここのブースでは、家庭用DCコンセントの例が展示されていました。
家庭用リチウムイオン二次電池の参考展示。このモジュール一つでなんと 25V・58Ah!!! これが数個組み合わされるそうですが・・・ こんなのが各家庭に設置されること自体、そうとうな環境負荷じゃないんですか・・・。
個人的にすごいなー!とおもったのが、色温度可変LED。3原色のLEDを組み合わせることで、照度に加え、色温度も変化できるとのことです。現行の白熱灯や蛍光灯は、色温度が固定ですから、これはまさにLEDにしかできない芸当ですね。
ちなみに、この試作品は 照度を下げると 自動的に色温度も低くなる(赤っぽくなる)ように設計されているそうです。これはどうしてかというと、人間は「暗くて色温度が高い環境を不快に思う」性質があるとのこと。なるほど、確かにうす暗くて青っぽい環境って、気持ちが悪いかも…。単に省エネな面だけではなく、ここまでLEDの特性に注目したのは素晴らしいと思います。
セカイカメラ
すごい人だかり!お目当ては産総研が開発した未夢 のデモなんですが、このイベントでは初音ミクの音源を用いて未夢が歌っている!しかも、初音ミクのコスプレをさせられている…。
今回は上半身だけのようでしたが、未夢は二足歩行ができるはずなので、将来はネギを振ったりスカートをひらひらさせてくるのかも知れませんね。
というか、ロボットにコスプレをさせるとか発想がすごい。日本はまた新たなステージに到達したらしいです。
沖電気
顔年齢推定。顔のパーツや しわ などから年齢を推定するデモ。デジタルサイネージのマーケティングには最適の製品ですね。
ただ唯一の欠点は、完成度がまだまだだということです。私の顔から年齢を正しく推定できるようになってから、出直してきてくださいね…!!
ミツミ
アプリケーションスタックを内蔵した無線LANモジュール。ここまで上層に食い込んだ製品を部品メーカーが出すのは珍しいような? このモジュールとマイコン、電源さえあれば超小型モバイルメールサーバが作れるということになりますね!すばらしい!でも適用例が思いつかない!
SMK
部品メーカーのSMKから、フォースフィードバックタッチパネルの展示。触れたときに画面を振動させることで「押した感じ」を再現しています。展示では画面を見なくても操作できるカーナビ を提案していましたが、スマートフォンや、携帯ゲーム機なんかに応用したらすごく楽しそう!
双葉電子工業
ヘッドアップディスプレイのデモ。戦闘機のグラスコクピットなんかもそうですが、自動車業界では結構前からHUDといって、フロントガラスに車速を表示したりするオプションがあったりしました。これって、今流行りのARの原型なんじゃ?とも思います。
おわり
長いこと見てくださってありがとうございました。すみません、私の趣向が入っていたのでずいぶん偏ってしまいました。
ちなみに、私が行ったのは最終日・一般公開日ということで入場料無料でした。一般の人にも広く見てもらいたいという主旨なのでしょうが、一部の家電メーカーを除き、あまり一般受けしない展示があるのも事実です。たとえば、実証試験中の構文解析エンジンを実装したWebサービスがあったのですが、そこで説明を聞いてしたおじさまが「コレはいつ発売になるの? 私のパソコンでは動くの?」と質問され、説明員が「えーっと、これはそういう性質のものではなくてですね・・・」回答に困る一幕も。
位置づけがびみょーな CEATEC ですが、今後はよりエンドユーザ向けの展示会の色を帯びそうですね。来年も開催されると思うので、良かったら行ってみてください。
【事故報告】 迷惑メール送信時の誘導URLを間違えてしまった
こんにちは。前回のエントリでは多くの反響をいただき、ありがとうございます。今後も役に立つ?メールネタがあれば投稿していきますー。
# はてな は依然としてSPF対応はされていないようですね。書き方が分からないのではあれば、連絡ください!>はてなさん
今回は、私のハニーポット携帯(!)に着信した迷惑メールから、ちょっと面白いモノをご紹介します。
最近の携帯電話の迷惑メールフィルタリングの一つに「本文中のURL」を利用した迷惑メール判定、と言うモノがあります。URLのデータはキャリア側で持っている場合もありますが「ネットスター」などのURLレピュテーションを専門に扱う事業者のものを利用している場合もあります。私もこれを有効にしているのですが、たまにこのフィルターをすり抜けてくる迷惑メールがあります。
「ネットスターのURLデータベースがしょぼいのかなぁ」とも思ったんですが、どうやらそうでもないようで・・・
Subject: 千佳子様専用窓口 From: tousen_happyou_now@yahoo.com Date: 2009/06/18 21:02 おめでとう御座います! 貴方のお住まいの地域にて、対象者18,232人の中で抽選を行ったところ、見事当選となりました! 下記の【千佳子様専用窓口】にて現金100万円を千佳子様からお受取下さい! http://fcc.free-free-s.netokanemochi_mx/
トップレベルドメインが ".netokanemochi_mx" になってます。これじゃあ、折角届いても誘導はできないでしょうね。
もう一つの例。
Subject: SEXお相手女性様 個人情報取得済み From: soku_deai_soku_hotel_soku_sex@yahoo.ca Date: 2009/06/20 21:11 下記あなた様専用URLより、SEXお相手女性様の【ご本人証明写真】【ご本人証明ヌード写真】 【携帯電話番号】【携帯電話アドレス】を取得して下さい。 ■あなた様専用URL ┗ http://{DOMAIN}/k-koukai_jyo_0/
"{DOMAIN}"って・・・。
たぶん、テンプレートエンジンを使って誘導URLの自動挿入をしたかったのでしょう。おそらく、"${DOMAIN}" にすると、上手くいくんじゃないかなぁ・・・?
スパマーも新入社員の季節なのでしょうか?社会の底辺の方々、せいぜいスキル向上頑張ってくださいね。
※ちなみに、今回のエントリが迷惑メール送信者の利益になることはないでしょう。理由は言わずもがな、ですよね^^;
hatena は今すぐSPF宣言しましょう。
どうやら hatena は SPF宣言してないみたい・・・!!
「え?SPF?なにそれ?何のこと?」ってな方が多いとおもいます。
紫外線から守ってくれる奴ではありません。
SPFとは電子メールの送信ドメイン認証のひとつで、「このドメインからはこのIPアドレスでメール送るよ!」とDNSに書いておく方法です。yahooメールやgmailなどのSPF認証に対応した受信サーバではメールを受信すると、"Envelope From"のドメインでDNS TXTレコードを引きます。ここに送信サーバのIPが列挙してあるので、そことセッションIPを比較すれば、なりすましたメールかどうかを簡単に見分けられると言う技術です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Sender_Policy_Framework
これを宣言していないと「なりすましメール」かどうかの判定ができません。今はまだそれほど問題にはなりませんが、携帯各社はすでにSPFを利用したなりすましメールの判定機能を提供しています。最悪、「なりすましているかどうか分からないメールは捨てる」というロジックを組み込んできてもおかしくありません。
DNSにTXTレコード書くだけなので、送信ドメイン認証のなかでは一番簡単です。今どき、メール送る事業者はSPF設定は必須だといえます。
hatena.com ドメインの gmailでの認証結果ですが、これは「受信ヘッダ」をみるとわかるようになってます。(これをラベリングといいます)
Received-SPF: neutral (google.com: 59.106.108.66 is neither permitted nor denied by best guess record for domain of m@hatena.com) client-ip=59.106.108.66;
こんな感じに "neutral" になってしまいます。TXTレコード無いから認証できなかったよ・・・と言う意味です。
TXTレコードがあるかないかは、hostコマンドでも簡単に確認できます。
[kazuya@ariel ~] $ host -t txt hatena.com hatena.com has no TXT record [kazuya@ariel ~] $ host -t txt hatena.ne.jp hatena.ne.jp has no TXT record
ちなみに、当たり前ですが Yahoo!メールとかgmailなんかは ちゃんと宣言してます。
[kazuya@ariel ~]$ host -t txt yahoo.co.jp yahoo.co.jp descriptive text "v=spf1 include:spf.yahoo.co.jp ~all" [kazuya@ariel ~]$ host -t txt spf.yahoo.co.jp spf.yahoo.co.jp descriptive text "v=spf1 include:spf01.yahoo.co.jp include:spf02.yahoo.co.jp include:spf03.yahoo.co.jp include:bulk-spf.yahoo.co.jp ~all"
ただ、ここでちょっとマジックがあります。
実は、先ほどレコードがなかった hatena.ne.jp をgmailで受信すると、なぜか認証が成功(pass)します。
Received-SPF: pass (google.com: best guess record for domain of unknown@hatena.ne.jp designates 59.106.108.66 as permitted sender) client-ip=59.106.108.66;
ぁえ?
これは best guess というSPFのオプション機能で、接続してきたSMTPサーバのセッションIP(59.106.108.66)で逆引きした結果のPTRレコードに、送信元のドメインが含まれていれば 「便宜的に認証成功として取り扱おう」という仕組みです。逆引きIPを設定できるということはそのドメインの所有者の可能性が高いということを利用してるんですね。
この仕組み、gmail ではONになっていますが、Yahoo!メールではOFFになっているようです。SPFを拡大解釈するか否かなので、どっちでも良いと思いますが。
しかし、これだと はてなから来るメールが「認証成功」したり「認証対象外」だったりすると言うことになります。これでは、受信ルールをつくるユーザーは混乱してしまいますよね。
とにかく、SPFさえ設定してくれればはっきりするわけです。
ホッテントリに入ったら対応してくれるんだろうか?どうなんだろ・・・。
うーん。早く設定してください、はてなさ〜ん。
あらたにID取り直しました。
いままで id:shimanuki 使ってたんだけど、どうもしっくり来ないので取り直してみました。