SONY VAIO TypeZ をオーナーメイドで買いました
今まで外出先では Apple Macbook Pro 13インチモデル(Core2Duo、アルミニウムボディ)を主に利用していたのですが、少々力不足を感じ、今回 思い切って SONY VAIO TypeZ (VPCZ13AGJ/オーダーメイドモデル) を購入しました。
MacbookProで、不満だったこと
重い
2kg近くあるMBPでは気軽にどこかに持って行こうという気にはなりません。持って行くには相当な覚悟が必要です。
Blu-ray非対応
これはMac全般に言えることですが、Macでは Blu-rayが観られません。米国の事情、Appleの方針はあるんだと思いますが、最近はBlu-rayのコンテンツも豊富になってきているのに、これはもったいないです。
熱い
MBPは排熱機構が液晶のヒンジ部にあります。恐らく、温風が人間に当らないようにとの配慮だとは思うのですが、絶対的な排熱量が多くないのではないかと思います。そのせいで本体の熱の持ち具合が半端無く、足の上で使おうとすると低温火傷しそうでした。
処理速度
処理速度への不満は余り大きくなかったのですが、複数のカメラをPinPで合成しながら、Ustream配信しつつ、HD画質の動画を再生+TweetDeck なんてことをしょっちゅうやっていました。さすがにこうなると2コアのCore2Duoでももたついてしまうと言うことはよくありました。
あと、必須事項ではありませんでしたが、この際衝撃にも強いSSDがいいなぁ…とも思っていました。
USBポートの数が2つ
地味に痛いのが、 USBポートの数が2つというところです。普段使いでは良いのですが、上記のように USBカメラを複数使うみたいな使い方をするとどうしてもポートが足りなくなります。
これらの要求をまとめると、
- 軽くて
- Blu-rayが再生できて
- それほど熱くならなくて
- それでいてCPUの性能が高くてSSDで
- USBポートが3つ以上
のノートPCがあればいいな… ということになるんですが。。
そんな都合の良いPCないだろ、と思ったら、あっさり見つかりました。SONY VAIO TypeZ です。
TypeZとは
SONY のノートPCの中でも小型軽量に位置づけられているのが TypeZ です。重さも約1.4kgとかなり軽量、それでいてBlu-rayを搭載可能 ということで購入の候補に挙がりました。
他社のノートPCなども当ってみたのですが、Blu-ray搭載となると殆どがオールインワンAV型みないな重量級のものが多かったです。
辛抱・・・そして購入
最近の VAIO ですが、機種ごとに1通りの市販スペックモデルが存在します。それ以外のスペックのモデルを手に入れたい場合は、ソニー直販サイト ソニーストアから「オーナーメイド」で買うようになっているようです。確かに、いらない機能があっても、意味がないですから良いですね。
# 家電量販店ではどのようにして売っているのでしょう… 売りにくくないのでしょうかね
ちなみに「直販」というと、市場で買うよりも割高 な印象がありますが、そもそもカスタマイズモデルは市場流通していないですので、選択肢がありません。ただ、少しお得に買う方法もありますので、後で紹介します。
スペック
オーナーメイドなので、スペックは自由に選ぶことが出来ます。その際、リアルタイムに見積もりが表示されるので、自分のオサイフの懐事情を勘案してスペックを決めることできます。
今回選んだのは以下のような構成です。
CPU | Core i7-640M(2.80 GHz) |
メモリー | 4GB(2GB×2) |
ドライブ | デュアルSSD 約128GB(64GB×2)+ ブルーレイディスクドライブ |
無線WAN, WiMAX,カメラ | 非搭載 |
USB | 3ポート |
キーボードバックライト | 搭載 |
OS | Windows 7 Professional 64ビット |
ディスプレイ | 13.1型ワイド Full HD 1080 |
まずは必須のBlu-ray、そしてCPUは選択可能な中で最も性能のよい Core i7。メモリーは後から変更も出来るので、まずは最小の4GBをチョイス。
キーボードバックライトは当初付ける予定はなかったのですが、MacBookProのキーボードバックライトが暗いところで利用するのにとても便利だったので、こちらも選択。液晶ディスプレイですが、通常のWXGA++(1600×900px)に加え、フルHDパネルも選択可能とのこと!ブルーレイの画質をそのまま楽しむにはやはりBot-by-dotだろう!いうことで決定。
以上で 合計金額は 249,800円 でした。(高ッ・・・
オーダーメイドの買い方
多くの量販店や通販サイトでは「カードを使った場合」は店舗で付くポイントが少なくなったり、値引きが効きにくくなります。
ただし、ソニーストアの場合はソニーカードを使った場合に限りクレカ決済時に割引(3%とか)が効きます。上記合計金額より、さらに3%安くなると言うことになります。
私はたまたまソニーカードを持っていたので利用しましたが、ソニーカードは年会費が 1,312円 掛かってしまいます。購入する商品の価格、ソニーストア利用頻度を勘案し、場合によっては新規入会した方が安いかもしれません。
また、オーダーメイドの買い方として重要なのが「キャンペーン」で、ソニーストアでは機種ごとにキャンペーンを行っています。
例えば、12/12現在ですと、
プロセッサーキャンペーン | 「Core i7-640M(2.80GHz)」「Core i5-580M(2.66GHz)」「Core i5-560M(2.53GHz)」が通常より【10,000円】値引き |
ディスプレイキャンペーン | 「フルHD 1080 1920×1080ドット Adobe RGB 96%」が通常より【4,000円】値引き |
メモリーキャンペーン | 「8GB(4GB×2)」が通常より【15,000円】値引き |
ストレージキャンペーン | 「クアッドSSD 約512GB(128GB×4)」「クアッドSSD 約256GB(64GB×4)」が通常より【20,000円】、「デュアルSSD 約128GB(64GB×2)」が通常より【10,000円】値引き |
が行われています。
ポイントは、このキャンペーンの内容が2週間〜1ヶ月おきに変化しているというところです。例えば、「ディスプレイキャンペーン」が無かったり、4GBのメモリにキャンペーンが張られていたりします。
ソニーストアでは、自分の欲しいスペックが決まったら、2ヶ月くらい様子を見て、値引率が最高になるチャンスを待った方が良いですね。
TypeZレビュー
購入して半月ほどたったので、使用感もレポートしておきたいと思います。ちなみに、納期ですが、注文してから1週間ほどで到着しました。国内の工場で組み立てているとはいえ、この期間で 製造・テスト・梱包・流通 まで行っているのは凄いですね。
性能
性能については申し分ないです。さすがi7+SSDですね。特にディスクアクセスの性能は申し分なく、R/W共に300MB/s超え。SSDの性能にだいぶ支えられているという感じです。重いアプリの起動、例えば Photoshop の起動なんかも、iPhoneでアプリを起動するような感覚です。OSの起動そのものや、Windows Update、アプリの更新も速いので「再起動が億劫だからアップデートは後回しにしよう」なんてパターンに陥りにくいというのもよいですね。
ちなみに TypeZ には上のような三角形のスイッチが付いています。これは、電源管理のポリシーを手動で変更できるというものですが、なんと SPEED に設定されているときと STAMINA の時では利用するGPUそのものを変更してしまいます。SPEED の時はNVIDIAのチップ、STAMINA の場合はIntelの統合GPUが利用されますが、よくOSを起動しながらGPUを変更できるものだと感心しますね。設計には相当苦労されたようです。
ちなみに、後述のHDMI出力を使用する際は SPEED モードに設定する必要があります。実はこのような設定は「AUTO」に設定しておけば、外部電源の状態も勘案して自動で切り替えてくれます。基本的にはこのスイッチ、切り替える必要はないですね…
キーボード
キーボードは今流行りのアイソレーションタイプです。飛び石タイプなんて呼んだりもします。アイソレーションタイプは見栄えは良いと思うのですが、キーボードのどのあたりを打鍵しているのか分かりにくく、個人的にはあまり好きではない…かも。
ちなみに、TypeZはキーボードが使いにくい!と仰られる方もいるようですが、自分に言わせればMacのキーボードも相当使いづらいですね。この種のタイプのキーボードが使いやすいとは到底思えないのですが…
ブルーレイドライブ
ドライブはスロットインではなく、キーボード右上にあるEjectスイッチを押すと、駆動部ごと飛び出してくるタイプのものでした。レンズが2つあるのは、Blu-ray用なのでしょうか?
また、本体右側には手前にUSB、そしてCDドライブの奥にはアナログRGB端子を搭載しています。アナログRGBなんて何に使うの…と言われそうですが、例えばプロジェクターに出力する際などはまだまだ主役なんですよね。
出先でプロジェクターを借りたことのある方なら分かると思いますが、仮にプロジェクターがDVIなどに対応していても、主催側の設備でアナログRGBの延長ケーブルしか用意されていなかった…なんて実際によくあります。そういう意味では、RGB端子を変換アダプタ無しに用意してくれているのは、ポイントが高いです。Macですと、数千円もするDisplay portアダプタが必要だったりしますし、家に忘れてきてしまう…なんて危険もあるので。
入出力と排熱
TypeZの入出力系は本体右側に集中しています。
手前からUSBと ExpressCardスロット、USB、HDMI、有線LAN、そして排熱口です。
このHDMIですが、なんと映像だけではなく音声も同時に出力されています。「HDMIだから当たり前だろ」となりそうですが、MacのDVI-HDMI変換ケーブルなどは当然の如く映像のみの出力で、音声は別途ヘッドホン出力に頼るしかありません。その点、音声も出力されているので、例えば TypeZ とHDMIケーブル、そしてフルHD対応のテレビさえあれば、そのままフルHDの画質でBlu-rayの鑑賞会が出来るというわけです。
ちなみに、このHDMI音声出力ですが、HDMI接続中は本体やイヤホン端子からの音声は出力されなくなってしまいます。この場合、コントロールパネルの[サウンド]より出力を通常のオーディオデバイスに設定すれば、ヘッドホンジャックからライン出力を取ることも出来ます。
フルHD液晶
TypeZで特徴的な点としては、13.1型フルHD液晶を搭載している点です。これにより、Blu-rayのコンテンツを最高品位で鑑賞できます。
ただ、この液晶はちょっと問題があります。まず、フルHDが13インチサイズに押し込められているので、dpiが大きく小さい文字が見辛いのです。工場出荷時にフォントのサイズが125%に設定されてはいますが、それでも見づらい^^ さすがにこれは仕方ないですね。メガネを掛ければ良いんでしょうが。
もう一つ言わせて貰うと、視野角が狭いですね。視野角というか、正しい色と輝度で見える範囲がシビアです。せっかくフルHD液晶なのですし頑張って欲しかったのですが、IPSにすると消費電力が激しいなどの弊害もあるそうです。ちなみに、一人で正面から見る分には気になりません。
まとめ
TypeZは良いマシンですが、やはり少々とんがった存在であることは否めません。普通にネットしたりする分にはあまりにもオーバースペックですからね。。高い金払ってまでも性能のいいマシンが欲しい人には、うってつけではあります。
「おいおい。そんなスペックで、大丈夫か?」