「国際宇宙ステーション『きぼう』が拓く有人宇宙活動シンポジウム」参加ログ
リアルタイムで簡単にまとめました!帰宅後少々修正しましたが、ほとんど会場で記録したそのままですので少々読みづらい場所があるかもしれません。ご了承ください。間違いがあればご指摘いただけますと助かります!
その他のまとめサイト:
- http://togetter.com/li/5768
- http://togetter.com/li/5781
- http://twitter.com/search?q=%23kibosymp
- http://www3.nhk.or.jp/news/k10015630461000.html
- http://bit.ly/b3noyk
司会: JAXA 上野さん
来賓挨拶。
JAXA 理事長立川さんの話
- 今日は各国6名の宇宙飛行士がきている
- これからステーションをどう活用するか、パネルディスカッションで
文部科学省 森本
- お祝いのご挨拶です
- きぼうは宇宙の研究所
- 2020年までの継続決定は大きな意味を持つ
- 月探査計画の検討が進んでいる
理事 白木さん
- ISSは今年の秋に完成予定
- 太陽電池パネルでは100kWの電力を発生
- 若田飛行士は3ヶ月滞在、このあとも日本人宇宙飛行士長期滞在予定
- HTVは7号機まで予定
- アジア協力の推進
きぼう
プロジェクト
- 生命維持、衛生、行動支援、有人ロケット・回収、他天体の項目は未習得技術
- 15カ国が参加するため非常にプロジェクトが複雑
- 役割分担を「了解覚え書き」というものを交わしている。
設計と構造
- 部品点数200万点!人工衛星は30満点
- 信頼管理は2レベルで設計:死亡レベル/障害レベル
- きぼうはアルミ合金で溶接
- デブリは1cm以下のものを保護するバンパーを装備
- 日本は空気循環は上から下へ(他国はそれぞれ違うみたい)
- 日本のモジュールは騒音レベルもクリア
利用
- 細胞の研究、結晶の成長、医療、商用利用
- 船外装置による宇宙空間の観測
(ここで きぼう組み立てビデオ が流れました)
三菱 福田さん
開発企業での視点
JEMET(JEM Engineering Team)結成
- 機密構造は、ロケットタンクの構造技術者を呼んだ
- 整備しながら修理して使うために航空機の技術者
- 潜水艦技術者も
- シャトル実験装置の設計者を読んだ。NASAとの関わりがつよかったので。
20年後の有人宇宙技術者の養成をどうするか
- 日本の設計は80年代からブレずに来れた。
- スケジュールが延びたのは非常に苦労した。こんなスケジュール立てたらおこられるレベル
- きぼうを設計した知見をHTVなどにフィードバックした
- きぼうは軽いだけじゃだめ、丈夫でないといけない。
- 「認定」された基本構造をほかのモジュールにも適用することで工数の削減
- 搭乗員支援:取っての位置も事前に設計
苦労話
- NASAにはふりまわされた。共通品の購入など。
- きぼうは「工芸品」一発もの。
- 「1年進むと1年延びる」とも言われた
今後について
- HTVという立派なシステムがあるので、回収と人の輸送ができるようにしなければいけない
- 月探査計画への参画
次期有人宇宙プログラムに向けて
- 教訓を生かす:透明感のある開発計画、シンプルな開発体制、計画的スピンオフ
- 企業として:安く、安全に。「技術の伝承」と「発展」
質疑応答
Q.セントリフィュージをもう一度つくってほしい
A.ぜひやりたいと思ってます
Q.宇宙に本気でない企業には?
A.この技術はこの会社しかないというところから参加して欲しい
Q.火星探査は?
A.多くのコンセンサスが必要。我々としてはどんなハードウェアが提供できるかが重要
6名の飛行士によるパネルディスカッション
- 宇宙では昨日飲んだコーヒーが明日のコーヒーになるかも…?
- 無重力でも体調がはかれる機械がある
- 宇宙では基本的に体重が減る
- アートの実験も行った
- 宇宙に4ヶ月間もいると新しい飛行士と会うのが非常に楽しい
- 家族とテレビ会議をした(週に1回程度で)
- フガシ?が人気だった
(質疑応答)
Q.ISSに最長どのくらい滞在したいですか?
A.放射線被爆、骨の問題が解消されれば長い間滞在したい。1年くらい行きたい。
Q.重力について?とエイリアンについて
A.何週間かいると、無重量に適応しているような感じがする。月や火星でも問題ないのかもしれない。地球が実は丸かったように、我々はまだ無知なのだろう。ほかの生命がいるのではないかと思っている
Q.感動したことについて
A.日本のHTVが到着したことが感動的だった。ゴールドとコバルトブルーの機体が綺麗だった。
Q.睡眠時間と宇宙で観る夢について
A.6時間くらい寝れば快適に過ごせる。夢は地球で見るものとおなじでした
パネルディスカッション
(的川) 以前はサクラが必要だった。今日はJAXAの人はこないように!ということらしいw
宇宙開発の仲間入りについて
JAXA若田
- 日本は宇宙実験の分野から始まった。一歩一歩技術を確立させてきた。
- 日本のシステムは信頼性、品質管理がしっかりしていると感じた。照明の場所・静かさ。
- 一号機で完璧に実行できたことは日本の信頼感をいっそう高めた。
JAXA長谷川
- 90年はどうせできないだろう、アメリカに任せればいいと陰で言われた。
- きぼう が上がってからは他国に信頼を得て、ステーション全体のGO/NO GOをかける立場まできた。
- 不具合が非常に少ない、熱環境も非常に良い。とても広い。
- HTV 20名がNASAから来た。ランデブーまでずっと後ろ管制室で7-8人がで観ていた。
- 内緒だけど「購入したい」といっていたww
- 現在2015年までのスケジュールを立ててる。5者合意ですすんでいる。ただ、責任がすごく発生している。
三菱 浅田
- 決められた日に決められた時間にあげたのがすばらしい。
- 50万の部品が完璧に動いたのはすばらしい
- 技術はトップでも、産業はトップレベルではない。宇宙技術もガラパゴス化してしまうかもしれない。
- 日本の製品が世界標準になるべき
立花
- 日本には金がなさすぎる。JAXAの予算はばさばさ削られた。
- 有人ロケットの展望は持てない。違う技術水準が必要になる。
- 日本より中国がプレゼンスをもつ。財力が違う。
- ロシアとアメリカは国威発揚・軍事技術の意味があった。
- ISSはミールの後継機。そうとうの部分が軍事技術、中身が見えない。
- 中国もそう。軍事予算が入っている。
- 日本は軍事と基本はすべて切り離されている。世界で唯一。
- 将来でいうと夢がない、キボウがない。
将来について
長谷川
- まずは無人での月探査。ローバーで岩石を採取したりするフェーズ。サンプルリターンの技術。
- 月のサイエンスは日本がトップレベル。金があればできる。
- 有人は非常に難しい。打ち上げ能力、軟着陸の技術。昼と夜の温度差で機器が壊れる。
- アポロは平らで3日くらいしか月にいない。
- 日本はサイエンス的には意味間あるところに行かないとだめ。
若田
- 夢は種子島から各国の宇宙飛行士を打ち上げること。問題は多い。
- 現時点でやるべきことは、いまできることをやるのが大事。
- 日本はアメリカや中国と同じ方法では進められないことは確か。
- HTVの技術を盗みたいという企業はある。
- 米国では一つの会社が宇宙産業に関わっている。政府主導ではないかたちでのプログラムにも注目したい。
浅田
- 宇宙に住む、宇宙に送る・連れてかえる。後者はできないが、自分は難しくないと思っている。
- 信頼を高めても、1000回に1回の失敗が考えられる。
- 日本は冗長構成にしていない。緊急着陸の技術も確立していない。テストの回数が少なすぎる。
- 国家予算の0.3%がいま宇宙予算。決して多くないが着実に進めていくことが必要。
立花
- 委員会のメンバーになった。これをみると、ほかの予算が先に立つものもある。
- たとえばスプリング8。事業仕分け人は知識なしでやっている。
- 有人である必要はあるのだろうか?
- 現場の人も責任を取りたくないので、どんどん冗長系が増えてどんどん金がかかるようになる。
有人は無人の延長?
長谷川
- きぼうは世界のモジュールでも一番安く上がっていると試算している。
- 宇宙ステーションはナショナルプレゼンスの意味も大きい。
- 日本がすべてを有人化するのは相当先だと思ってるが、まず無人をすすめることが答えになるのでは。
若田
- 航空宇宙産業が進んでない。ペイできるようになってない。マーケットが大きくなる必要がある。
- 目標として有人をとらえるのは大事だと思う。宇宙実験だけではペイできない。
- ロケットの信頼性が低くても確実に帰還できれば良い。
- リスクに対する国民のコンセンサスが必要。
浅田
- なぜ宇宙開発が必要か?
- 「高貴な人の役割」日本が世界を引っ張って 先導して行く必要がある。
- 日本に対する期待度は高い。
日本独自での取り組み方
若田
- 日本でしかできないことはたくさんある。カメラ、プリンター。ロボティクスなど。
- 世界に売っていく必要がある。
立花
- 学生作った人工衛星のプロジェクトでは面白いアイディアがたくさんあった。
浅田
- 人類を助けるという意味でやる必要がある。1000年後、隕石が降って地球が破壊されるかも。
- 今やらなければだれがやるんですか?ということをいいたい。
夢・希望
長谷川
- かぐや2では民生品でやりたい。日本のもともと持っている技術を使えばかなり変わってくるのではないのではないか
- 予算がつかないと先に行かない。今日来てくれた方、マスコミにいいたい。中国にほんとに抜かれますよ?
浅田
- まずはものを持ってかえる技術をえたい。
- 宇宙を企業にとって魅力的な場所にしたい。
立花
- グランドデザインの復権が必要。もっと大きいスケールで考えて欲しい
- ロシアは500年先まで考えてる。
- それだけの夢を描かないときちんと伝えないとだめ。
質疑応答
Q.生命維持の技術のスピンオフ
A.長谷川さん。環境技術へのフィードバックへは考えていない。宇宙に持っていくためには高すぎる場合もある
Q.軌道エレベータについて
(浅田) 3000年にはできていないのかなぁと思う。
ロケットは危ないし、正しい姿ではないとおもってる。そういうのもを見つけたい。
Q.ペルチェ素子について
(若田) 実用段階に入っている技術。
Q.宇宙開発を進める上で大切なことは
(若田) チームワーク。世界の人と進めることが大切。
Q.どのくらいの子供たちが宇宙に行けるのだろうか。商業的な宇宙開発について
(若田) まだ500くらいしか宇宙に行けていない。一部では行われているがそうとう高い。マイクロソフトのexcelの開発者などは20億円かけて軌道上飛行した。
(浅田) 日本、リスクはたかい。うちの会社は特に石橋叩いてわたるので時間がかかるかも。
(的川) のせてくれ、というのではなくて開発してくれというのがいいかも。
Q.日本人はいつ月にいける?JAXAはプレゼン下手
(的川) まだ未定なのでなんともいえません。
Q.ISSの運用期間が延びたことについて
(若田) 2015年で終わるのは本当にもったいない。歓迎すべきこと。
(長谷川) 寿命は10年以上を設定している。
(浅田) 歓迎の方向。どんどんつかってほしい
(立花) 修理しながらであればまだまだつかえる。