pen2 の日記

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Japan Linux Symposium での Linus Torvalds 講演まとめ

日本初?のLinux Foundationの技術カンファレンス「Japan Linux Symposium」が開催され、基調講演が無料だったため聞いてきました。場所は赤坂 ANA Intercontinental Hotel。東京ミッドタウンから徒歩20分くらいの場所です。

Japan Linux Symposium

スケジュールはコチラを見ていただければと思うのですが、今回の目玉はなんと言っても Linus Torvalds の来日。私自身初めて本人を拝見すると言うこともあり、非常に楽しみでした。

講演内容は、「Linuxその歴史、開発の仕組み、オープン・イノベーションにおける意味」ということで、同じく Linux Foundation の Jim Zemlin との対話形式で行われました。あー、そういえば彼の著書もほとんど David Diamond の共著だったなぁ、なんてことを思い出したり。

Japan Linux Symposium

Jim Zemlin 氏です。

Linus の著書である「Just for fun」は、ほとんど発売日に買って何度も読んでいました。そんなこともあって、特に目新しいところはなかったのですが、たとえば組み込みの分野での利用などについてアップデートもあるので、箇条書き形式で拾えたところを書いておきます。

役割について

  • コードを受け付ける割り振る仕事をしている。仕事としては最小限。
  • 衝突が増えた場合に調停するのが役目。
  • 2-3年に一度承認プロセスを見直す。
  • 日本人のComitterとは直接は関与はしてない。

Japan Linux Symposium

ハードウェアサポート

  • デバイスとのデバックサポートについてはまだ苦情はあるだろう。ユーザーが増えればそうなる。
  • 昔は自分たちでドライバを書いていたが、いまは企業自身がドライバを書くようになった。
  • このやり方は我々のコミュニティのやり方とは異なっており、問題だったが、最近は改善されている。
  • Linux は最大のハードウェアサポートを達成しているはずだ。

オープンソースについて

  • オープンソースは企業や学会やその他のコミュニティに対してもオープンであることが大切。単にソースが誰でも見られることであればいいと言うことではない。
  • 強硬的なオープンソースでも、哲学的なオープンソースでも上手く行かないと思う。
  • コマーシャル対オープンソースの構図はダメ。コマーシャルは問題提起の役割があり、オープンソースは協力するものである。
  • オープンソースのソフトウェアは、優秀なエンジニア同士のセックスによって良い子孫を残す、という感じ。

Japan Linux Symposium

組み込みシステムについて

  • ハードが進化したから、組み込みが求める要求もあがる。
  • デジカメで撮ってすぐにアップロードする例を挙げよう。
  • 一から作れば、Linuxが歩んだように、108億ドル掛かる。
  • 正しい選択はリナックスでしょ、と思うよ。Linuxを使えば、だいたい何でもできる。

Japan Linux Symposium

どういうつりでやっているのか?

  • 今でも趣味でやってるよw
  • (現在では、原子力発電所でも使われ、人の命が掛かっているようになったが)私は直接関与はしてないですのでなんとも。
  • Linuxを誇りに思っていますが、それは私だけではありません。
  • 15年前のように自由にやっているのではなくなった、というのはあるね。
  • 例えば、昔はソースベースを一から消してやり直そう、と言うことができた。いまは違うね。

最後に未来のエンジニアに向けて

  • 成功できるという計画を立てるのではなく、10年間毎日10時間がんばろう。
  • すると、最高になれる。
  • それは、スポーツであっても良い。好きなことで良いんだ。
  • 自分の分野でいい。他人に役に立たなくても、必ず勝利を得ることができるよ。

Japan Linux Symposium





こんな感じですー。間違いあれば指摘してください。

実際に近くで見てみた感じでは、フツーのおっさんでした。ただ、そのフツーのおっさん(当時は大学生か)の作ったものが世界を変えてしまったことも事実。面白いですね。

Japan Linux Symposium